ニート、ハロワに行く【復刻ブログ】
- カテゴリー
- 脱ニート
※この記事は2014年2月13日にアメブロにて公開した記事を一部調整した復刻記事です。
前編
「明日こそはハロワに行くぞ!!!」
と、強めに自己暗示して寝て、そして目覚めた月曜日の朝。
朝食を済まして、居間でうだーっとソチオリンピックを見て、メダル取れなくて残念がって、国会中継に切り替わってつまんねーって言って、テレビ消してうだーっとしながらも、頭の中ではずーーーっと、
「ハ、ハロワに・・・行かなきゃ・・・しょ、職業訓練の話を聞かなきゃ・・・」
って考え続けて午前10時。
せっかくハロワに行こうって気分になってるのに、そのチャンスを逃すなんてもったいない。このまま午後になるのを待ってたらヤバい!!!
そこで、重い腰をあげるための魔法の言葉を発動することに。
「何も、死にやしない」
この言葉は、僕のネガティブ思考が回りまわってプラスに転じた時に生まれた言葉で、何か不安になった時に思い出せば気分が楽になって動き出せる優れた特効薬である。
そんなこんなで何とか動き出せた僕は、さっさと着替えてハロワに向けて出発。
とはいえ、家からハロワまでは徒歩一分。実は、居間の窓からハロワの背中がしっかりはっきりばっちり一年中見えるという、脱ニートには最適の立地条件に住んでいるので、「寒いな~、足元滑るな~」なんて考えてる間に辿り着いてしまうのだ。
無事ハロワに到着し、入口前でチラシを配ってたおじさんと挨拶してから恐るおそる中に入った。今日の目標は、職業訓練の話を聞くことなので、そんな感じの案内を探そうと辺りを見渡す。
するとすぐ目の前に総合受付なる文字を見つけた。
ここだ!!とにかくここに聞けば職業訓練の受付の場所も分かるだろう!!
と、行き先が決まればニートは安心するらしく、自身満々に良い感じのおばさんのいる総合受付の前へすたこらと歩いていく。
「あのー、初めてきたんですけども、職業訓練の相談はどこでできますか?」
入口前のおじさんと挨拶したおかげで声はしっかりでてる!!と余計なことを考えていると、受付の良い感じのおばさんの口から予想外の言葉がでてくる。
「職業訓練についてでしたら、こちらではなくて職業訓練サポートセンターに行っていただくことになりますね」
「???えーっと、ていうことは・・・」
「はい、こちらサポートセンターへの地図ですね。徒歩5分程ですのでそちらでうんたらかんたら・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここじゃなかったのぉーーー!?!?!?
ということで、ハロワに到着して早々に僕は次の目的地に向けて再び歩き始めることとなった・・・
ここまで前編、ここから後編をそのままどうぞ
なんとかハローワークに辿り着いたニートであったが、目的の職業訓練の話を聞くのには「職業訓練サポートセンター」なる別の場所に行かなくてはならないことが判明。かくして、ニートは新たな目的地へ向けて旅立ったのであった・・・・・・。
と、大げさに引っ張ってみたものの、実際にはほんの数分でサポートセンターに辿り着き、入口が分からず警備員さんに聞いたりしながらすんなりと入室した(微妙にすんなりじゃない)。
サポートセンターは、先ほどのハロワとは違いこじんまりとした1フロアーで、入口のすぐ横に薬師丸ひろ子似のおばさんのいる受付があった。
こんにちは、と挨拶をかわしたのち、
「ハローワークカードはお持ちデスか?」
と、到底ニートが持っていなさそうな物騒なカードの名前を口にしたひろ子さんは、事務的な事を僕に向かってしていたが、正直あまり聞いていなかった。
初めて来た場所で若干緊張しているニートにはあまり話かけない方がいいらしい。
とりあえず、番号の書かれた紙を渡されたので、上着を脱いでその紙をじーっと眺めながら待つことにした。
窓口は全部で8つほどあり、そのほとんどが空いていた。待合席には僕の他にもう一人いて、僕が席に着いてほどなくメカニカルな声のアナウンスに誘導されていた。
曇りガラスのついたての向こうに消えていく彼。
待合席と窓口との距離は2メートル。
近いようで遠い、遠いようで近いその距離。
別に肉声で呼んでもいい距離じゃないか。
などとくだらないことを考えていると、再びメカニカルな声で
「7番デ オ待チノ方、2番窓口ヘ ドウゾ」
と、僕の手の中にある番号が呼ばれたので、そそくさと窓際の「2」と大きく書いた窓口へ向かった。
そこには何とも言えないメガネのお姉さんがいて、こんにちわーよろしくおねがいしますーと挨拶しながら席に着いた。
「今日はどういったご用件ですかー?」
さっそくめがねぇさんの先制攻撃である。その程度ではまだニートは動じない。
「えーーっと、職業訓練の相談に来ました」
「雇用保険の失業きゅうふをじゅきゅうされテタリシマスカ?」
「い、いえ、無いです。ニートなんで」
「デハ、キボウ ノ クンレン カモク ナンカハ、アッタリ シマスカ?」
「い、いえ、そのへんのこともよくわからないので、そういうハナシ ヲ キコウ ト オモイマシテ・・・」
「あ、そうですか、では、制度についてご説明いたしますね」
と、めがねぇさんの怒涛の波状攻撃を防ぎきり、華麗に目的の話を聞き出すことに成功した僕は(どこが華麗だ)、めがねぇさんの「自分の興味ある事は何だ」とか「どういう風に就活に向かっていきたいか」とかいう質問に答えながら職業訓練というものについて説明を受けた。
どんなことを言われたか簡単に言うと、職業訓練やハローワークでの就職活動において大事なのは就職したいという意志と自分がどんな職種でどう働きたいかということであり、求職者たちがそういう心構えになって就職活動することを、職業訓練サポートセンターやハローワークは応援する、のだそうだ。
今回僕は、脱ニートしたいという強い意志と、こっそり事前に調べていたWEB関係の職業訓練を受けたいというビジョンがあったので、めがねぇさんも納得の様子で話をしてくれた。
ちなみに今回職業訓練の話を聞くにあたって僕は、あらかじめ職業訓練について出来る限り調べておいた上で何も分からない風に一から話を聞く、という作戦をとった。
これは相手にちょっと失礼でもあるが、確実に理解するためには非常に効果的な方法だと思える。
あらかじめある程度調べることで、説明してもらう時に出てくる専門用語などがスッと頭に入るし、自分が理解しているところと理解していないところを話を聞きながら整理できる。話を聞いて理解できないところは質問すればいいし、理解できたならそれでよしとなる。
わからないことが不安に感じる僕にとっては、この方法はとても役に立つ。会話に余裕も生まれるので、相槌を入れるタイミングが良くなったりもする。僕みたいにいろいろ不安になる人は、あらかじめどんな内容を話すかわかっている会議などの場に行くときは、この方法を試してみるといいかもしれない。
と、そんなこんなで、めがねぇさんとすっかり打ち解けたところで、めがねぇさんは改まった感じで、最後の確認的な話を始めた。
「ではですね、今週中に願書の方は提出していただくとして、今回ハローワークカードをまだ作っていないということで、求職者登録をしていただくことになります」
ん???何やら聞き覚えのある物騒なカードの名前が聞こえたが???
「職業訓練を受けるには、求職者登録をしていただかないといけないんですよねぇ」
「えーーーっと、それは・・・・・・ここでできるんですかね・・・・・・?」
「いえ、ですから、もう一度ハローワークに行っていただいて」
「なっ!?」
「家、近いんですよね?全然めんどくさくないですよね?」
「そ、そうですね・・・・・・・はい・・・・・・わかりました・・・・・・」
「では、そういうことで、がんばってくださいね!」
「は、はい、ありがとうございました・・・・・・」
さっきまで偉そうに事前に調べてどーこー言っていたくせに全然何もわかってなかったうえにめがねぇさんに完封された僕ですが、後日無事にハローワークカードを作り、職業訓練の願書を提出することができました。
怖いこわいと思っていたハロワも、みんな親切に対応してくれましたし、改めて彼らは“人を働かせるプロ”なんだな、と感じました。
おかげさまでやる気満々になって、ほんのり気分も軽やかですが、職業訓練を受講するには選考審査を突破しなければなりません。それをクリアしてこそ、脱ニートへの本当の第一歩だといえるのでしょう。
(おわり)
当時を振り返って
さて、いかがだったでしょうか?当時の記事を改めて読むと、なんだかテンション高めで微笑ましい気持ちになりました。
このブログを書いていた頃は、当時ファミ通の副編集長だった大塚角満という方のゲームブログを良く読んでいて、その文体を真似て書いていました。パズドラやモンハン、ドラゴンズドグマなど、この方のブログを読みながら一緒に楽しんだゲームがたくさんあったことを思い出してすごく懐かしいです。
脱ニートをするにあたって、こんなふうに脱ニートの記録を兼ねてブログや日記を日々綴っていましたが、今となってはその記録がものすごく価値があるものになっています。
こうして振り返ってみると余計に思いますが、もう10年前のことにもなるとやはり記憶は曖昧で、初めてハローワークに行った時のことなんてはっきりとは覚えていません。それがこうして記事として当時の自分の感情と一緒に残っているものがあるだけで、こんなにも臨場感を持って思い出すことができるし、何よりも思い出補正みたいなものを別にして振り返ることができることが最大の強みだなと思います。
この新たなニートブログは、今の僕が振り返って思う都合のいいニート・脱ニートの話だけではなく、こういった当時のリアルな記録も併せて発信の情報にしていきます。
僕と同じニートはいないでしょうから、100%が誰かの役にたつとは思いませんが、僕のリアルなニートの体験記はきっとなにかしら誰かしらの役に立ってくれるだろうと思います。
それではまた次回をお楽しみに!